取り組み事例
ホリエアツシ・ギター製作記②
ストレイテナーのホリエアツシさんと能登ヒバ材でオリジナル・ギターを作る企画。ご本人監修の元、順調に制作が進んでいます。今回は製作を行うSAGOさんのインタビューをお届けします。
ーーこの取材の時点(2024年10月2日)で見せていただいた最新の写真は、ボディの塗装までが終わったものでした。これでギター製作の何合目ぐらいなんでしょうか?
高山 8合目‥ぐらいですかね。あとは塗装を磨き上げ、パーツを組み込んで完成です。
ーー前回見せていただいたのはギターの設計図。あそこからここまで、どんな過程を経たのか教えてもらえますか?
高山 まずあの設計図からアクリル板で型を作りました。次にその型に沿って古谷さんから頂いた厚さ60mmぐらいの材を50mmぐらいにカット。カットしたらしばらくほったらかしにして40mmにカット。それをまた寝かせて、というのを1ヶ月ぐらい繰り返して最終的に厚さ35mmに整えました。
ーーなぜ少しカットするたびにほったらかしに?
高山 どんな木でも切るとそこから水分が出て、その時にゆがむんです。だから少し切っては乾燥させ、ゆがみを補正してはまた切る。ギター作りってこの部分がいちばん手間がかかるんですよね。
ーーそんな作業で感じたヒバ材の感触は?
高山 僕は、ギターの音を作るのはネックだ、って思ってるんです。それを受け止めて鳴らすのがボディ、みたいな。このネック用に使った圧縮されたヒバ材がすごく良かったんですよ。
古谷 ネックの材は圧縮率(40%)で提供させていただきました。
ーーボディの木目もすごく美しかったです。
古谷 材の選木っていうのも木材屋の職人技術の1つだと思うんです。この木はこんな性格をしてるとか、この木はこの部分を見せてもらったら美しくなる、とか。そこは楽器用も家具用も同じで。
高山 木目によって板の値段も変わってきますしね。丸太の段階で分かる部分もあるけど。
古谷 表面がボコボコしている部分は切ると模様があったり。実際に切って「やっぱりね」ってなる場合と「がっかり」ってなる場合がありますが(笑)。
高山 あと、白っぽい木って安っぽく見えがちですけど、ヒバは品がありますよね。で、木目に関しては貰った材を見て「こうすると一番キレイに見えるよね」っていう形に配置しました。まず古谷さんが送ってくれた材が良かったんですが。
ーー古谷さんは自分でギターも弾くからよりイメージが掴みやすいのかも。
古谷 そうですね。材がギターになったときのことを想像しながら。そしてホリエさんに使ってもらうことをイメージしながら選木させてもらいました。ま、ギターだから全部塗装されて木目が見えなくなっちゃうことも考えたんですけど。
高山 当初は裏だけシースルーで木目が見えるようにしようかと思ってたんですよ。でも「これから塗装に入るんですけど」っていう時点での写真をホリエさんに見せたら「こんなに木目がきれいなんだったらナチュラルでいきましょう」って言われたんです。
ーーピックガードまでヒバでしたね。
高山 出来ればここもヒバの方がいいかと。
古谷 こんだけ薄くても大丈夫なんですね。
高山 圧縮してあるヒバは丈夫なんです。厚さ3mmぐらいなのに。
古谷 こんな薄いヒバは初めて見た。家具とかじゃありえないし。
高山 これもホリエさんに確認したんですけどね。だめだったら普通のものにしようと思って。でも「かっこいいですね」って言ってもらえたんで。
ーーさらに指板の木目がすごいことになっている。
高山 指板だけはより硬い木が欲しかったんでカシの木を使っています。
古谷 あ、指板はヒバじゃなかったんですね!
高山 でもこれも前に古谷さんから調達したやつですからね(笑)。もともとカシはわりと使ってたんで。ただ今回のような木目は国産材の、それもカシぐらいでしか出ないものなんですよ。
古谷 肉で言うとシャトーブリアンのような‥。
高山 そうです、そうです。なんでも牛で表現するのきらいですけど(笑)。
古谷 とにかくサウンドを聴くのが楽しみですねー。このプロジェクト自体が、ヒバのサウンドのブランディング、という部分があるんで。それがホリエさんが鳴らすサウンドで実現する。
ーーホリエさんを招いての寄贈式もやるんですよね?
高山 そうですね。是非やりましょう!これまでも大きなリハーサル・スタジオで渡した人もいるし、ライヴ当日の会場リハの時に渡してそのままその日使ってくれた人もいたし。今回も「このまま使いたい」って言ってもらえたら最高ですね。
(インタビュー/構成 今津 甲)
次回はいよいよ完成編です!お楽しみに!
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