取り組み事例
国産材でつくるカスタネット 〜森林循環を音で学ぶ〜
2026年2月14日(日)、2026年3月8日(日)、日本大学芸術学部 江古田キャンパス(南棟5階 C-2)にて、上村ゼミ×ヤマハ株式会社「おとの森プロジェクト」によるワークショップ「国産材でつくるカスタネット 〜森林循環を音で学ぶ〜」を開催しました。

2月14日はアカペラサークルの冬のライブ、3月8日は、春のOPEN CAMPUSに合わせて実施。3月では、①12:45〜13:15、②14:00〜14:30の2回実施し、短い時間ながらも“木を知り、音を楽しみ、森の循環を考える”という一連の体験をぎゅっと凝縮したプログラムとなりました。
今回のカスタネット・ワークショップのテーマは、国産材が身近な暮らしや文化にどのようにつながっているのかを、実際の手触りと音の体験を通して実感することです。木材は、目で見れば色味や木目の表情が異なり、触れれば重さや硬さ、香りまで違います。
さらに楽器として鳴らすと、立ち上がりの速さ、響きの輪郭、余韻の伸び方が変わり、同じ形のカスタネットでも「音」がはっきり個性を持つことが分かります。参加者は制作を進めながら、木材を“材料”として扱うだけでなく、“音の源”として見つめ直す時間を過ごしました。カスタネットひとつでもとても奥深いです。
そして、今回コラボしたヤマハ株式会社の「おとの森プロジェクト」とは、楽器づくりに欠かせない木材資源を未来に残すことを目的とした森林保全・育成活動です。ピアノやギター、管楽器など多くの楽器は木材から作られますが、近年は森林減少や過剰伐採などにより良質な楽器材の確保が難しくなっています。そこでヤマハは、楽器文化を長く守るため、世界各地で楽器材となる樹木の植林や研究、森林の保全活動を進めています。
代表的な取り組みとしては、アフリカ・タンザニアでクラリネットやオーボエなどに使われるグラナディラ(アフリカンブラックウッド)の植林・管理や、日本国内での楽器材研究などがあります。また、地域住民と協力した森林管理や教育活動を通じて、森と音楽の関係を伝える取り組みも行っています。このプロジェクトは、単なる環境保護ではなく、楽器産業と森林資源を持続的につなげる仕組みづくりを目指した活動であり、「音楽の未来は森から生まれる」という考え方のもと、100年先の楽器文化を支える基盤づくりとして進められています。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください https://www.yamaha.com/ja/stories/environment/otonomori/

今回のワークショップでは、4樹種を活用。能登ヒバ、イタヤカエデ、ウォルナット、オークを用いて、オリジナルのカスタネットづくりを実施しました。

最初に行ったミニレクチャーでは、森林循環についてわかりやすく紹介しました。木を伐ることは自然を壊す行為だと捉えられがちですが、適切に育て、適切に伐って使い、次の苗木を植えて育てるという循環が回ることで、森は健全さを保ちながら次の世代へ引き継がれていきます。

また国産材を選ぶことは、森林整備や地域の産業の循環に直接つながり、木を“使うこと”が森を守る一つの方法にもなる——そんな視点を、音や制作の体験と結びつけてお伝えしました。参加者が手元の木材の背景にある「森の時間」を想像し、素材への見方が少し変わる瞬間が生まれたことが、この企画の大きな成果だと感じています。
つくる工程では、パーツの確認から組み立て、仕上げまでを一気に体験できる構成で、初めての方でも取り組みやすいよう、スタッフが手順を丁寧にサポートしました。木の表面を整える作業では「触った感じが変わった」「少し削るだけで見た目がきれいになる」といった発見があり、ものづくりの基本である“手をかける”面白さが自然に共有されていきました。



その後、完成したカスタネットを実際に鳴らし、音色の違いを比べる時間へ。ここでは「こっちの方が高い音がする」「こっちは深く響く」といった声も上がり、木材の違いが“音の違い”としてはっきり立ち上がることを実感していただきました。目や手触りの違いに気づいていた参加者が、音を通した違いにも気づき、「木は見た目だけじゃないんだ」と納得していく流れが自然に生まれたのが印象的でした。

そして締めくくりは、完成したカスタネットでの合奏。全員の音がそろう瞬間の気持ちよさ、少しずつリズムが重なっていく楽しさは、木が「素材」から「楽器」へ変わる決定的な体験になりました。

この日の為に作った新曲も披露されました。森の想いをカスタネットのリズムにのせて、参加者全員で奏でました。学び・作り・奏でる、音楽を通じた木育活動の新しいプログラムが生まれました。自分でつくった楽器の音が、ほかの人の音と混ざり合い、場の空気をつくっていく。音の揃い方ひとつで印象が変わること、木の個性の違いが“ばらつき”ではなく“響きの豊かさ”として感じられることも、短時間の中でしっかり味わえる場となりました。
今回のワークショップは、上村ゼミ×ヤマハ株式会社「おとの森プロジェクト」主催、国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」助成のもと実施され、ATENOTEが協力として参画しました。木に触れ、音を楽しみ、森の循環へと思いを巡らせる——その入口を、日本大学という多様な方が集まる場で提供できたことは、今後の学びや行動につながる大切なきっかけになったと考えています。ご参加いただいた皆さま、そして運営に携わった関係者の皆さま、ありがとうございました!

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