取り組み事例

ストレイテナーのホリエアツシさんとSago New Material Guitarsでオーダーギターを作る企画。その計画から寄贈までを追ってきましたが、最終回の今回は完成したギターと使用された金沢ライブの様子をお届けします。

まずはギターの写真です！

使用した木材は

ボディ　能登ヒバ

ネック　圧縮能登ヒバ（40%)

指板　　カシ　　　

で、すべて国産木材です。

また圧縮した能登ヒバを薄く加工しても板の反りがなかった為、ピックガードや電気類のカバー部分にも無垢木材を活用しました。

そしてボディには通常、広葉樹が使用されますが、針葉樹の能登ヒバを活用しているので全体的な重量も軽くなり、体への負担が軽減できる仕様となりました。その割にヘッド落ちせずバランスよく仕上がりました。

ギターボディの形はホリエさんのアイデアで、SAGOさんによって書き起こされたオリジナルシェイプです。

カラーはホワイトを基調に、ホリエさんが「木目の美しさを見せたい」とベベル・カット部分はクリア塗装になっています。裏面は表同様にホワイトで統一する予定でしたが、「更にその木目を見せたい」とクリア塗装に変更されました。

サウンドは力強さとやさしさを兼ね備え、ヘビーさの中にシャリ感もあり、フロントマンにピッタリな感じに仕上がっています。ツアーに帯同する楽器担当の方からも「メインでいけるんじゃない？」と高評価をいただきました。

このギターは寄贈の4日後の東京公演から使用されました。2024年12月7日に開催された「The Ordinary Road Tour」金沢公演の様子もお届けします。カメラマンの「ピー山」さんから特別に写真をいただきましたので見て頂ければと思います。

完成したギターは今回のライブで7曲、全セットリストの約1/3で使用されました。ホリエさんがMCで「このギターは能登ヒバという木でつくりました！」と高く掲げるシーンもありました。

2024年1月1日に発生した能登半島地震から約1年が経過するタイミングで、石川県の木材がギターに生まれ変わって最強のパートナーと共に地元に戻ってきた姿を見て私は感動が止まりませんでした。

楽器は使い込むほど音が成長する、といいますが今後もどう育っていくのか楽しみです。

4回にわたりお送りしてきた「ホリエアツシ・ギター製作記」は、これにて完結です。ここまで読んで頂きありがとうございました。ATENOTEはこれからのストレイテナーの活動も全力で応援していきます。そして林業・木材の活性化と能登半島地震で被災した皆様に勇気を渡せるように、発信を続けていきたいと思います。

（文／構成 代表 古谷 隆明）