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ATENOTEは、創業100年以上、北陸随一の取扱い樹種と歴史をもつフルタニランバー株式会社運営の「地域材活性化プロジェクト」です。

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アウトドアがあるから、音楽が出来る

ストレイテナー Nothing's Carve In Stone ベース

日向秀和

1976年生まれ。日本で最も影響力のあるロック・ベーシストの1人。ART-SCHOOLを経て2004年、ストレイテナーに正式加入。2009年には並行してNothing's Carved In Stoneを結成。他にFULLARMOR、EOR、Killing Boy、KATSINA SESSIONなど様々なジャンルのバンドでプレイしている。また2018年より親交のあるミュージシャンを集めたイベント“HINA-MATSURI”をキャパ2000クラスの会場で継続開催。

土をいじっていると自分が満たされていく

ーー日向さんはアウトドアがお好きですけど、昔からそうだったんですか?

日向 子供のころはバーベキューとか川遊びとかいろいろやってました。小学校のころ、学校で神奈川県の金時山というところに行ったらつらい思い出しかなかったけど(笑)。その後ミュージシャンになって30歳ぐらいの時かな? 健康のためにウォーキングを始めたんです。いつも川沿いを歩いていたら走りたくなって、そこからジョギングにハマった。毎日12~13kmは走ってね。さらに「この体力、なんかに使えないかなあ」って思ったとき、友達と「山でも行ってみる?」ってなったんです。

ーー歩く→走る→登る、だったんですね。

日向 うん。でも初めて行ったのが真夏の大山で色んな意味でやられました。

ーー真夏にそんな標高の高くない山、ってまず暑さが大変ですよね。

日向 しかもトレッキングポールの使い方も分からず長いままで登って(上りは短く下りは長くが一般的)。

ーー自らさらに負荷をかけたようなもので‥。

日向 そうそう(笑)。でも絶対つづけるつもりでウェアとかけっこう買い込んじゃったんで「もう1回だけ行こうよ」ってなって、大菩薩嶺に行った。そしたら山の上は曇ってるのに眼下の街並みがパーッと晴れてるのを見て「ウワーッ!」ってなって、次は八ヶ岳。そこから一気にハマりましたねー。

ーー今はどんなペースで?

日向 去年(2023年)も30本は登ってます。

ーー山って標高によって表情もさまざまですが。

日向 最初のうちは森林限界(本州では2500m前後)を超えて一気に視界が開けて「オーッ!」ってなる。そこから稜線を歩く。みたいのが好きでしたけどね。

ーー視界360度の雲上の世界。

日向 でも今はどこでも楽しめます。視界のない樹林帯の中でも「山に来たなー」って。連れていった初心者の子が喜んでたりすると「だったらもっと楽しいことがあるよ」って考えるし。最近はトレランもやろうと思ってるんですけどね。これもウェア揃えたんで(笑)。

ーー山で走る、というのは登山とはまた別の世界ですよね。

日向 「この景色、走ってたら見えないじゃん」っていう(笑)。トレランは負荷中毒みたいなかんじかな。

ーー農業もやられてますが、あれはどんなキッカケで?

日向 もともと家庭菜園はやってたんですよ。で、あるとき子供が通ってるフリースクールのそばに畑があることに気づいた。ちょうど人がいたんで「畑って借りれるんですか?」って聞いたら1区画年間1万円ぐらいで使えることが分かって。

ーー区民農園、市民農園とかより1区画は大きんでしょうね。

日向 でかい、でかい! で、すぐやるようになって今で2年ぐらい。僕は基本土起こし。完全に力仕事なんですけどね。

ーーそこにも楽しさが?

日向 すっごい楽しい! 土をいじってる時ってそのニオイも心地良くって、自分が満たされていくかんじ。あれはやってみないと分からないかも。畑ってこんなおもしろいんだ、ってね。綺麗にウネを作るのも楽しいし。

ーー綺麗なウネを作れるようになるまでは?

日向 それが初めてやったときからうまくいっちゃったんですよ。ズッとやってる人に見てもらったら「最初からこんなに出来る人はなかなかいない」って言われて(笑)。これまでDIYとかはやったことなかったんですけどねー。欲しいものは買うかんじで(笑)。

ーー収穫はどうなんですか?

日向 じゃがいもとか「こんなに出来るんだ!」ってかんじです。その野菜でごはん食べれるわけですからねー。月1で町田のNOISEってライヴハウスでやってるセッションでも野菜売ってるんです。“日向農場”ってシール作って貼って(笑)。

ーーなかなかいないなあ。そういうミュージシャン。

日向 何者なの? っていう(笑)。なんか、そういうことが楽しくなっちゃって。コロナ下で音楽できなくなって色々しらべてたら色んな可能性が見えてきた部分もあるんですけどね。畑も、キャンプも。前は音楽が忙しすぎて取れなかった子供との時間も出来て。

ーーそうか、キャンプというのもあるんですね?

日向 あるとき登山のチームにスノーピークの店員が入って、一緒に行ったらすごく楽しくって。

ーー同じテント泊でも山とは違う?

日向 山はきびしい環境の中である意味サバイバルすることの楽しさ。キャンプはつらいのいやだと思って行ったら(笑)別の楽しさがあって。

林業には興味があった

ーージョギング、登山、トレラン、農業、キャンプ‥。もうアウトドア総ナメですね。

日向 ライヴとレコーディング以外は全部アウトドア(笑)。季節によっては畑とかしょっちゅう雑草抜かないといけないし。そこはいろんな考え、あるんですけどね。でも僕の場合、見てくれを考えてすぐ雑草を抜いちゃう(笑)。夏とか虫がすごいんで暑い中カヤを被って。アドレナリン、出ますよー。

ーーステージでも出ますよね?

日向 結局アドレナリンを出したい(笑)。だから家でゴロンとか一切だめなんです。ゴロンとすると「ああ、あれやんなきゃ」ってなってなんか始めてしまう。そうこうしてるうちに夕方のジョギングの時間になって、すぐ夜になる。

ーーそういう日々の中でアウトドアと音楽ってどんな関係にあるんですか?

日向 関係はないんです。

ーーあ、ない?

日向 僕の場合、音楽を一切忘れる時間があることが音楽の成長につながってるですよ。常に音楽のことを考えてると一ヶ所にとどまっちゃう。

ーーついつい音楽のことを考えちゃうようなことしてちゃ切り替えができない?

日向 そうそう。だからもろに音楽のこと忘れられる登山や農業をしてる。いま息子がベース始めたんですけど、彼が始めるまで家にはベースは1本もなかったですからね。家では音楽も一切聴かないし。車の中ぐらい。そうするといざ音楽に接したときにものすごい意欲が湧くんですよ。楽しいなー、って。それが好きなんです。

ーー何十年もプロとして音楽を続ける、っていうのはそういう工夫が必要なのかもしれませんねえ。ましてや日向さんはストレイテナーとNothing’s Carved In Stone以外にも様々なセッション・ワークをやってるし。では最後に、ある意味これもアウトドアと言える林業についてお聞きしたいと思います。

日向 電車かなんかの広告で「林業、やりませんか?」っていうのを見て、ちょうど興味を持ってたところだったんです。

(ここで古谷社長登場)古谷 手間はかかりますけどね。たとえば木をまっすぐ育てるには枝打ちって言って横に生えた枝を切ったり。

日向 あー、気持ちいいねえ(笑)。

古谷 それに農作物と違って育つまで時間もかかる。みなさんの楽器に使われてる海外の材とか何百年単位ですからね。アコギによく使われるスプールス材も200年ぐらい。それがいま、切り倒しすぎたせいでなくなってきている。

日向 楽器はコロナ期にすごい勢いで売れましたからねー。だから日本の材を使って、っていうのは素晴らしい。

古谷 このサイトで紹介しているヒバ材は日本では青森と石川しかないんですけどね。日本全国で植えてみたけどこの2箇所でしか育たなかった。ヒバは陰樹と言って雨が多かったりする地域に育つんです。で、能登ヒバは植えて80年ぐらいで切れる。だいたい杉の二倍ですね。

ーー一生に1本だ。

日向 たしかに。雪国で育つってかっこいいですよね。粘りを感じる。

古谷 これまでは香りを活かした使われ方だったんですけどね。あと窓枠に使うと蚊が寄ってこないとか。でも僕も音楽が好きで、一時は音楽業界で働いて「なんとか木をからめられないかなー?」と思って「あ、だったら楽器でしょう」ってなったという。

日向 なるほどねー。そういう初期衝動があったんですねー。

古谷 テナーも学生時代から好きだったんですよ。

カメラマン 僕もART-SCHOOLから聴いてました。

日向 え、マジすかー! 恐縮です(笑)。

古谷 林道が安全になったとき、ぜひ林業の現場にも来ていただけると関係者の方も喜ぶと思います。

(インタビュー/構成 今津 甲)

ストレイテナー website https://www.straightener.net/

Nothing’s Carved In Stone website https://www.ncis.jp/

  

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