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ATENOTEは、創業100年以上、北陸随一の取扱い樹種と歴史をもつフルタニランバー株式会社運営の「地域材活性化プロジェクト」です。

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金沢は人が繋がる過ごしやすい街

フジファブリック ベース

加藤慎一

1980年生まれ。2002年、フジファブリックへのサポート参加を経て翌年正式加入。2004年メジャー・デビュー。以降12枚のオリジナル・アルバムを出し今日にいたる。ライヴは通常のツアー以外に2006年に日比谷野音と渋谷公会堂、翌年に両国国技館、2010年に15組のゲストを迎えて富士急ハイランド・コニファーフォレスト、2014年に日本武道館、2019年に大阪城ホールなどで開催。プライベートではトークライヴなども行っている。

地元を盛り上げようっていうマインドの人が多かった

古谷 高校時代、加藤さんがやってらっしゃったバンド仲間がいま、うちの動画製作を担当してくれてるんですよ。

加藤 えー、〇〇があ? いやー、世間はせまいなあ。

古谷 ちなみにうちの会社は内灘の方なんですけどね。

加藤 あー、海の近くの。高校の友達がそっちの方に住んでましたよ。

古谷 免許センターもあって。

加藤 あ、はいはい。

古谷 って思いっきりローカルな話題ですみません(笑)。

ーーいやいや、今回はこのサイトを運営する古谷さんの会社が金沢。加藤さんの御出身も金沢。ということで、地元縛りでお送りしたいと思います。国産材楽器プロジェクトがどんな地域から生まれていったか、という紹介もかねて。

加藤 僕の実家も市内なんですけどね。裏は神社があってすぐ山なんですよ。小学校のころまではそこが遊び場で、山の奥まで入らなくてもすぐそこにカブト虫がいたりして(笑)。あと山で松ぼっくりを採ってきて遊んだりとか。

ーー松ぼっくりでどんな遊びを?

加藤 水に浸けてすぼませてビンの中に入れておくと乾燥して膨らんでとれなくなるんです。

ーーボトルシップの松ぼっくり版?

加藤 はい(笑)。

古谷 僕はドングリでコマを作ったりしてました。

加藤 それもやりました。

ーースポーツとかは?

加藤 小学校の頃は野球をやってました。でも部員が80人もいてレギュラーには選ばれなかった。その悔しさから中学では少人数のテニスを選びました(笑)。でもなんか違うなということでバンドをやるようになったんです。

ーーバンドもある意味団体ですが。

加藤 でも1人1パートなんで(笑)。

ーーたしかベースを始めたきっかけはビリー・シーン(超絶テクニックのベーシスト)だったとか?

加藤 中学の時に知りました。

ーー早いですねー。

加藤 父が音楽好きで家にギターもベースもあったんで。

ーー加藤さんが10代のころの金沢の音楽シーンってどんなかんじだったんですか?

加藤 僕らにとってはvanvan V4とAZホールっていうライヴハウスが中心でしたね。バンドのリハーサルもAZでやってたし、学校帰りの友達の溜まり場にもなっていた。そこで最近聴いてるものを教え合ったりして。

ーーフジファブも金沢でライブしたりしてますよね?

加藤 そうですね。何回かに1回ツアーで帰るかんじです。あとは正月ぐらい。できたらお盆も帰りたいんですけど、ちょうど夏フェスの時期と重なって‥。

ーー地元でライヴをやると、昔の友達が来てくれたりします?

加藤 30代なかばになってから徐々に来てくれるようになりました。

ーーあ、そういうかんじなんですね。

加藤 みんな1回は金沢から出たりしてるんですけどね。半分ぐらいは戻ってきていて。その気持ち、すごい分かるんですけど。

古谷 金沢の人はそうかもしれない。

加藤 雨が多かったりもするけど、人と人が繋がってる部分において過ごしやすい街なんです。

古谷 街のサイズ感的にもね。

加藤 僕らの時は地元を盛り上げようっていうマインドの人が多かった気がするし。

地元の木が楽器になる。切ってくださった方に感謝です。

ーーATENOTEは能登のヒバ材で楽器を作るプロジェクトですが、金沢市内の方にとって能登半島っていうのはどんな存在なんですか?

加藤 千枚田とかを見に行ったり、親の知り合いのペンションに泊まりに行ったり。ちょっとした旅行感覚の場所ですかね。

ーーそこにヒバもはえている。

加藤 どのへんなんですか?

古谷 輪島市周辺です。もともと青森ヒバを全国で植えてみたらあのへんでだけ育ったらしいんです。さっき雨が多いっておっしゃってましたけど、そういう気候にマッチしたんでしょうね。能登ヒバのことは知ってました?

加藤 いや、知らなかったです。

古谷 石川県の県木に指定されてるんですけどね。

ーー自分の住んでるところの県木ってわりと知らないかも。

加藤 うん。ヒバって木も名前は知ってましたけど、それがどんな木かは…。自分の楽器も「だいたい使うのはアルダーだな」ぐらいの認識で。あとビンテージ楽器だとブラジリアン・ローズウッドとかハカランダとか。

古谷 フジファブの曲にも「モノノケハカランダ」ってありますよね。

加藤 はい。

古谷 そのハカランダは伐採規制が入って、代わりに違う種のローズウッドが使われるようになった。でも今やそれもいい材がなくなってきていて。

加藤 ストックがあっても限られてる、ってお話は聞いたことがあります。

古谷 木って大きくなればいいってもんでもないんですけどね。ある程度成長すると光合成する力も衰えるんで、その前に切った方がいい。手入れは怠らないようにした上で。それをやらないで森が荒れてるからクマの被害も出るんだし。

加藤 今や地元の住宅街でもクマ、出るんですよ。

古谷 といって森の木も切る人がいないし、切っても二束三文。だから単価の高い楽器に使おうとしてるんですけどね。林業とか接点ないですよね?

加藤 行って楽器工場見学ですね。

古谷 どこ、行きました?

加藤 松本、だったかな? うちの山内(総一郎。ボーカル/ギター)が自分の楽器を作る時についてって。

古谷 松本はギター生産世界一なんですよ。

ーー世界一!

加藤 ただその先は知ることがなくって。でも、いまヒバ材も含めてみんなが新しい材を求め始めている。これから出てくる“新しい材で作られる音”っていうのは気になりますね。

ーーああ、それはいい観点ですねー。そういえば加藤さんって、プロ・ミュージシャンとしても珍しいぐらい様々なタイプのベースを所有してますよね。あれはどんなところから?

加藤 やっぱり音です。いろんな音を出してみたくって。

ーー今回、加藤さんにはSingularという楽器メーカーのヒバ材製ベースを試奏していただきました。ここで同社の代表・北出斎太郎さんともZOOMで繋いでお話を聞いていきたいと思います。

北出 初めまして、北出です。

ーーSingularさんも金沢にあるんでしたっけ?

北出 はい。金沢駅からすぐの所にあります。元々デザイン学校だったビルに。

古谷 ガストの裏?

加藤 あー、なんとなく分かりました(笑)。

ーー北出さんが地元のヒバ材を使ってみようと思った経緯はどんなかんじなんですか?

北出 僕はもともと、松本のギター・ブランドに7年ぐらい勤めてたんです。そこから金沢に戻って独立するにあたっては新しい方向でやっいきたかった。素材に関しても日本でやる意味を考えたとき、海外の楽器用材がどんどん枯渇してきてるなか国産材も活用できたらな、と。で、最初はどこにでもある杉で試して、さらに古谷さんからの提案で県木だけど使ったことのなかったヒバに挑戦してみることにしたんです。

ーー加藤さん、試奏してみての感想はいかがでした?

加藤 2種類、弾かせてもらったんですけどね。

北出 無垢の奴と圧縮して強度を増したもの、ですね。

加藤 どっちもベースにしては軽いのにすごく木が鳴ってたんです。そのせいかサスティン(音の伸び)が長くて。圧縮してある方の奴はさらに芯の強さが出てましたけどね。あと、どっちも体に馴染むかんじでした。

北出 形状は3次元で全面曲面になってるんです。体にフィットすることで奏者との親和性を高めたかったんで。イスの手すりのように撫でたくなるかんじで(笑)。

加藤 ああ、だから馴染むんですね。楽器っていろんな形がありますけど、今回はそういうのとは違う体へのくっつき方を感じました。

ーー所有されてる様々なベースの中に置いてみるとどんな位置付けでしょうか?

加藤 いや、そこにはない新しい気持ちになりました。僕はピックでも指でも弾くけど指の方が馴染む印象はありましたけどね。あと音作りの幅がすごく広くって。

北出 そう言っていただけると嬉しいです!

ーーなかなかないですからね。こうやって面識がなかったビルダーとプレイヤーが直接話すって。

加藤 ですよねー。

ーーでは最後に、地元の材で作られた楽器を弾く、という意味での感想を教えてください。

加藤 山で木を切ったときは、それがどういうものになるか分からないかもしれないですけどね。でも、こうやって地元で切られた木が思いもよらず楽器になった。新しいものが芽生えた。それを考えると切ってくださった方にも感謝です。

(インタビュー/構成 今津 甲)

フジファブリック website https://www.fujifabric.com/

ベース(Singular)website https://secca.co.jp/arttype/instrument

BARKS記事 https://www.barks.jp/news/?id=1000246029

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