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ATENOTEは、創業100年以上、北陸随一の取扱い樹種と歴史をもつフルタニランバー株式会社運営の「地域材活性化プロジェクト」です。

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1人の人間として学びたい

ORANGE RANGE ベース

YOH

1983年生まれ。'03年、ORANGE RANGEのベーシストとしてデビュー。翌年リリースの5thシングル「ミチシルベ〜a road home〜」から'06年の13thシングル「チャンピオーネ」まで9作連続NO.1を記録する。また'04年のアルバム『musiQ』は260万枚を超える大ヒット作品に。YOH自身は'10年代からさまざまな災害支援活動に参加している。

現地の空気が大事

ーー今回は共に幡ヶ谷再生大学(BRAHMANのボーカル・TOSHI-LOWが立ち上げた災害支援を含む人間形成のための組織。以下幡再)に関わりのあるお2人の対談となりました。まずはそれについて教えてください。

古谷 僕は能登半島地震で支援活動をお手伝いしたのがスタートでした。そのあと林業部を立ち上げて ニューアコ(New Acoustic Camp) で木工ワークショップを開催しました。

YOH 僕は生徒として参加させてもらってるかんじです。2013年ごろから。

ーーYOHさんは、ほんとに初期からなんですね。

YOH TOSHI-LOWさんと知り合ったのはもう少し前なんですけど。

ーーどんな出会いだったんですか。

YOH 友人に紹介していただいて。お互い辿ってきた道に違いはあれど、TOSHI-LOWさんには共鳴できる部分がたくさんあって。その後、東日本大震災があって「自分もなにか力になれることがないか?」って思って探していたらBRAHMANチームが動いているっていう話が入ってきた。震災の2〜3週間前まで、ORANGE RANGEも岩手、宮城、福島をツアーでまわってたんですよね。

ーー自分が知ってる場所で、となるとなおさらでしょうねー。

YOH 職業柄、行ったことのある場所は多いんですけどね。それに音楽以前に、1人の人間として学べたら、とも思ったんです。

ーー震災以前はどうだったんですか? 例えば沖縄で辺野古の問題とかに対して。

YOH もちろん問題自体は知ってましたけど、そのテーマに絞って行ったことはなかったんです。幡再に参加するようになり、勉強会みたいな形でおとずれましたが、やっぱりメディアからだけじゃ分からないことも多くて、実際に現地の空気を肌で感じるのが大事だなあ、って毎回思います。

ーー古谷さんとの出会いも“現地”だったとか。

古谷 そうなんですよ。能登の豪雨では輪島の南志見(なじみ)地区というところが被害が大きくて。そのタイミングで幡再と炊き出しが出来る場所をつないだんです。そしたら当日YOHさんがいらして。

YOH 能登行きのスケジュールを調整して炊き出しチームへの同行が決まったんです。

古谷 その前にニューアコで「YOHさんが能登の支援、参加したいって言ってるみたいよ」って聞いたのでご一緒したいって思ってました。

YOH 人と人。音楽、飲食、林業‥リンクする部分が多いのはありがたいですね。

(輪島市南志見公民館での炊き出し 2024年10月16日)

古谷 あの時、能登の皆さんからは「あったかいご飯を食べたい」という声も多くて。

YOH そのご飯もね。被災された方に聞いたら、ずっと白いスチロール製の容器で食べてたらしいんです。で、アレを見ただけで‥。

ーー気持ちが萎えちゃう、みたいな?

YOH はい。そういう症状に苛まれる方も別の地区ではすでにいらっしゃるみたいで。あの容器ってフェスでも使ってるし、僕もなんとも思わず手にとってた。でも「それが何ヶ月も続くとそういう感情になるんだ」っていうのは行って初めて知って。

古谷 必要な支援っていうのはその時期で変化していくのですが、みなさんの気持ちに寄り添う活動をしたいですね。

木で空間が変わる

ーーYOHさんと会ったときに木の話もしたんですか?

古谷 はい。話しかけたときに、オマエ何者? って思われそうだったから(笑)「僕は木材屋で、能登ヒバで楽器作ってるんです」って言って。沖縄の木の話も聞きました。

ーーそれはどんな?

YOH たとえば戦争の時、家の横にある大きなアカギの木が弾除けになって助かった、とか。ガジュマルの木にはキジムナーっていう妖精が住んでいて、オジイチャン・オバアチャンの世代の方々が若い時に実際に見た、とか(笑)。

ーー首里城も木材が使われてますよね?

古谷 そう!首里城にはヒバの木が使われてるんですよ。

YOH 建築材として?

古谷 はい。ヒバって高温多湿な地域で力を発揮するんです。沖縄では首里城以外でもいろいろ使われてるんじゃないかな。

YOH たしかに湿度高いですからねー。晴れた夏場に外で干しても洗濯物が乾かない。

ーーあんなに日差し強いのに‥。

YOH たぶんカラッとしたイメージを持ってる方が多いと思うんですけど、それはカリフォルニアとかで(笑)。

ーーじゃ、楽器とか大変なんじゃないですか?

YOH 海沿いでのイベントとか、終わったらすぐちゃんと拭かないと潮風でサビちゃったり。といってあんまり楽器を大事にしすぎても気候に負けちゃう。ミュージシャンの中には、窓をちょっとだけ開けた場所にあえて楽器を置いて慣らしたりする方もいますね。すごく気を使います。考え方も人それぞれ。

ーーそのへん石川は?

古谷 実は石川って日本で一番雨の多い県なんですよ。

YOH あ、そうなんですか?

古谷 降水”量”で言うと台風が多い高知だったりするけど、雨や雪の降水”時間”が多いのは石川。「弁当忘れても傘忘れるな」って言葉があるぐらいで。でも基本的に日本は多湿だから、どこでも気を付けないと。ちなみに木材は湿度を調整してくれるのでおススメです。

ーーYOHさん、楽器という木への関心はいかがなんですか? 

YOH (Singular製の能登ヒバ・ベースを持ちながら) アッシュ、アルダー、ローズウッド、メイプル‥楽器によく使われる木の名前は知ってるし、それを意識してベースをオーダーしたこともあります。でもそこで気づいたのは、それぞれのメーカーさんがノウハウを蓄積してたどりついた黄金比に勝るものはない、ということ。結局それが一番いい音がすると思ってます。

ーーYOHさんのメインのベースってすごくオーソドックスなスタイルですよね?

YOH ORANGE RANGEっていろんな音楽を演奏するバンド。奏法も指だったりピックだったりたまにスラップもあったり。だからオールマイティーな、どういう曲がきても大丈夫なものがいい。それが今使ってるモデルなんです。

古谷 メーカーさんがたどり着いた黄金比、っていう話がでましたけど、今それがだんだん通用しなくなってきている現状もある気がするんですけどね。

ーーというと?

古谷 いい木材がだんだん入手がむずかしくなってきているから。

ーー要は、これまで楽器用の定番だった特定の種類が枯渇してきているだけで。

古谷 はい。世の中には木材って何万種ってあるんだけど、まだまだ楽器にあいそうな木って未知数なところがあると思いますね。これまで楽器用というと輸入材中心だったけど、そこが国産材に代わってもいいと思うし。日本の森林面積は’60年代の2.5倍、沖縄も面積の50パーセントが森林ですからね。沖縄の木もたくさん種類があるので楽器に使ってみたいですね。世の中、沖縄好きの人はこれだけいっぱいいるんだから。もっと活用されてもいいと思いますね。

YOH 僕の周りに建築業の知り合いはいるんだけど、林業・木材となると古谷さんとの出会いが初めてで。

ーー普通、なかなか林業・木材関係者やその情報と接することってありませんからねー。

古谷 ふだん、身の回りに楽器以外で木はありますか? インテリアとか。

YOH 観葉植物は置いてます。1つあるだけで落ち着きますからねー。ぜんぜん空間が変わる。

古谷 木はストレス緩和効果があったりするんです。それと木の空間にいると寿命が伸びる、っていう研究結果もあるぐらいで。

YOH それ、フローリングもカウントされるんですかね?

古谷 無垢の木であれば!木って切っても呼吸してますからね。それが人にいい。

YOH 楽器のことを考えても、間違いなく呼吸はしてるでしょうね。音も色もどんどんいい方向に変わっていくし。

ーー今の話で言うとついでに長生きもしそう。

YOH ミュージシャンは触れてる時間、長いですからね(笑)。

ーーいつかそこに国産材ベースも加わるといいですね。

YOH そういえば、僕のベースを作っていただいているATELIER Zも「いろんな木材、試したい」って言ってました。

古谷 ホントですかー!?いっぱい提案したいです(笑)。

YOH いつか、ぜひご紹介させてください。

古谷 その話聞いて自分も燃えます(笑)また、そのときに御一緒しましょう!

(インタビュー/構成 今津 甲)

ORANGE RANGE https://orangerange.com/

幡ヶ谷再生大学 https://hatagaya-saisei-univ.jp/

ATELIER Z https://www.atelierz.co.jp/

Singular https://secca.co.jp/arttype/instrument

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